かなり前に予告していた、「BCリーグの成績でセイバーメトリクス」企画。
まずは新潟の打者編で始めてみようかと思う。
面倒でも、下のPDFをダウンロードして「2011年 打者成績」のページをご覧いただきたい。
「2011.pdf」をダウンロード
まずはお断り。
BCリーグの成績欄では「盗塁死」の項目がない。これがないと、セイバーで重要な指標の「RC」「RC27」が出せない。ということでRCは今回説明から省かせてもらった。
(リーグの中の人なんとかしてください)
では、いってみようか。
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□出塁率
「野球とはつきつめれば27個のアウトをとるゲーム」というのがセイバーメトリクスの出発点。これを裏返せば、「アウトにならない選手が優秀」ということになる。「アウトにならない」というのを数字で端的に表すのが、この出塁率になるわけ。
野球草創期には「四死球は投手のエラーであり、打者の功績ではない」と考えられた。そのため「打率」がタイトルとされたが、現代野球では四球を選ぶのも打者の重要な能力の一つと考えられている。
□長打率
簡単に言えば、打者の得点効率を表した数字。シングルヒットばかりの打者よりも、打てば本塁打という打者の方が得点に直結する、というのは容易に理解できると思う。
□OPS
上記の出塁率と長打率を足した数字。セイバーメトリクスを象徴する指標で、今やアメリカでは打率や打点よりも重要視される。計算が簡単で打者の総合力を端的に表すということで、広く利用されるようになった。
「走塁能力が考慮されない」「打者のタイプが測れない」という欠点があり、これを克服すべく考えだされたのがRC。だが、BCリーグの成績欄からは前述の通り計算ができないのが残念。
□IsoD
「出塁率 - 打率」で計算する。四死球で出塁した割合を示すことになる。「四球を選ぶ」ことの重要性についてはリンク先のWikipediaを読んでいただきたい。ただし、「打って出ることによりチームに勢いをもたらす」という数字に現れない効果も否定できないし、このあたりがセイバーメトリクスの限界なのかなあと思うことがある。
□BB/K・PA/K・PA/BB
選球眼でまとめて説明されている。BB/Kは「四球が多いが三振も多い」「四球は少ないが三振も少ない」どちらの打者も同じような数字が出ることがあるので、PA/K・PA/BBとセットで見る必要がある。
□IsoP
シングルヒットを積み重ねても数字が上昇する長打率の欠点を補正すべく、より純粋に打者の長打能力を測るための指標。
□AB/HR
「本塁打1本あたり何打数かかるか」を示したもの。この数字は福岡がらみで前に紹介したことがある。
□BABIP
ビル・ジェイムスと並ぶセイバーメトリクスの重要人物、ボロス・マクラッケンが提唱した指標。「フェアゾーンに飛んだ打球がヒットになる確率は長い目で見れば誰でも同じ」という、マクラッケンの発見に基づいているBABIPは同じ打者の年度別の成績、特に打率との比較を並べて検討して初めて意味がある。異なる打者同士を比較しても意味がない。
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さて、新潟の各打者の成績を眺めてみる。
一見、稲葉の成績が抜けているように見える。打率は圧倒的だが、IsoDは0.052と平凡。PA/BBも20を超え、典型的な「打って出る打者」と言える。セイバーメトリクス的においしいのは平野と野呂。両者とも出塁率は福岡を上回り、青木に迫る。野呂の打率は.245しかないことを考えると、とても優秀だと言える。
足立のPA/K14.00は一見良い数字。14打席に1回しか三振しない。ただし、PA/BB23.33は厳しい。稲葉と同じ「打って出る打者」だが、その割に出塁率.302、IsoPわずか0.026では怖さがない。なかなかの数字が並ぶ佑紀だが、PA/Kの4.87はスラッガーの数値であり、切り込み役タイプとしてはいただけない。出塁率が三割を切るなど厳しい数字が並ぶ清野だが、IsoPにらしさが見えている。
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「INABA.pdf」をダウンロード
もう一つおまけ。稲葉の年度別成績を並べてみた。
覚醒した2008年以降、IsoD・IsoPは毎年似たような数値が並ぶ。選球眼・長打力は変わっていないことが分かる。その反面、年々数値が良化しているのがPA/K。2011年はついに25打数に1回しか三振しなかった。バットコントロール能力の向上が端的に分かる。
投手編はまたいずれ。